台風19号が関東を直撃、その後北上し東北地方にも甚大な被害をもたらした。特に大きかったのは水災による被害。普段雨が多いとは言えない関東や東北の各地で水害が発生しました。そして、今回の台風では東京近郊の都市部における河川の氾濫も相次ぎ、川崎市では水没したマンションの1階で犠牲になる人も。川崎市では数年で著しい発展を見せた武蔵小杉周辺が、大きな被害を受けましたね。
その武蔵小杉には近年の開発でタワーマンションが乱立、ひと昔前までは工場地帯だった地域が有数の人気のエリアへと変貌を遂げました。それに伴い地価も急上昇したエリアです。その武蔵小杉が今回被害を受けました。上層階に住んでいるから大丈夫!?いや、そんなことはありません!今回の台風はそれを証明することに。地下や1階に設置されていた配電盤が水没、停電を引き起こしました。その結果、貯水タンクから各世帯に水を送るためのポンプのモーターも停止、断水まで発生することに。エレベータも使えず、最上階の住民は大変な苦労をなさったことでしょう。
災害に対する脆弱性を露呈した形となったタワーマンションですが、この水害によってその価値に影響はあるのか?心配している住民も多いのではないでしょうか。この水害がきっかけで、マンションの資産価値が下がったり周辺の地価が下落したりすることがあるのか?過去の同様の事例を参考にすると、そのような可能性は低いといえます。東日本大震災後の有明や豊洲がそうであったように、災害から数年たてば適切な価格で取引されるようになると予想されます。人気急上昇中だった湾岸エリアは3.11で大規模な液状化に見舞われたものの、その後取引価格は回復しました。ただ、災害から1年から2年といった短いスパンで考えると、一時的に売却価格が下がることはあり得るかもしれません。