融資対象不動産の購入から1年での金利引き下げは叶わず… 超高入居率での経営というエビデンスと、さらに1年の返済実績を積んで、0.7%の金利引き下げを勝ち取りました。とはいえ、見直し後の金利は3.8%と依然高い水準です。今よりも高いものの、当時の金利水準も2%台が当たり前というご時世。私の物件の融資条件に付いても、目指すはその2%台の金利です。
ということで、3.7%への金利引き下げから1年後、金利交渉を行うため再度S銀行を訪れました。物件の稼働率は変わらず100%に近いもの。さらに言うと、不動産投資を始めて以来、他の所有物件についても95%以上の高稼働率を維持しており、不動産賃貸業の経営としても申し分がないものであるはずです。これらを材料に、再度S銀行担当者との交渉をスタート。先方に一旦話を預けてその日の交渉は終了し、後日回答をいただくことになりました。
しかし、何日たっても銀行からの連絡は来ません。こちらから連絡してみると、的を得ない回答に終始し、私としては納得がいきませんでした。私が持ち込んだ案件は銀行内で議論すらされていなかったのではないか?その後、長年にわたるずさんな融資体制の問題が明るみに出て、金融庁から厳しく指導を受けているあのS銀行です。すでに融資を実行している顧客への対応が疎かであっても、何ら不思議なことではないのですね。
それがきっかけで、私も本気でS銀行との決別を考え始めることにしました。すなわち、他の金融機関への借換えを検討することにしました。まずは、それまで何度か借換えについてのお話を伺っていた、S信用金庫を当たってみることに。その当時のS信用金庫は、不動産投資に対する融資を積極的に行っていました。そんな事情も手伝って、前向きに検討してもらえるとのこと。ただ、融資対象となる不動産の積算評価が融資額に届かなかったため、ある裏技を使うことにしました。
預金担保という言葉を聞いたことがありますか?実は、銀行預金を担保にお金を借りることができるのです。担保の不足分は、この預金担保を入れることで補うことができました。借換え後の利率は2.5%、返済期間も延ばしてもらえることになり、毎月の返済額は63万円に。そして、毎月のキャッシュフローは17万円アップ。S銀行には繰り上げ返済手数料として、借入残高の2%・330万円を支払う必要がありましたが、キャッシュフローの増加分(17万円)を考えると、一見高額とも思える手数料は約20か月で回収可能です。
もちろん、私は手数料を払ってでも借換えをすることを決断、借入の対象となっている不動産単体で見ても、不動産収入に占める返済額の割合(返済比率)は50%を下回るまでに改善することに。
担保価値が足りない場合、追加で担保提供をすれば融資が受けられる場合もあります。上記の預金担保に限らず、抵当権の付いていない、又は抵当権が付いていても担保余力がある(返済が進んでいる)不動産も、追加担保としての提供が可能です。そのためには、融資の申し込みをする前に、ご自身の資産や負債の状況を整理しておくことが大切です。