不動産所得を増やそうと、もくもくと物件を買い進めている不動産オーナーさんも多いのではないでしょうか。投資規模を増やすこと、それが不動産所得を増やす王道であることには間違いありません。では、他に不動産所得を増やす手段はないのでしょうか?不動産収入を増やすには物件を増やすしかありませんが、不動産所得を増やすには、入ってくるお金を増やすほかに出ていくお金、つまり経費を減らすという方法があります。
経費を減らす… 鉛筆やノートなどの消耗品費や、電車代などの旅費交通費を減らすには限度がありますし、額としてもたかが知れていることでしょう。では、何を減らせばいいのか?私は銀行などの金融機関に支払う支払い利息に目を付けました。
当時、私は不動産投資の世界では有名な某地銀S銀行から、物件購入費用として1億7000万円ほどの融資を、4.5%という高い利率で受けていました。借入期間28年、元本と利息で、毎月90万円以上が返済で消えてしまっていました。それに対して、借入の対象となった物件から得られる毎月の家賃収入は130万円~140万円ほど。返済比率は60%を超えていて、あまり良い状態とは言えませんでした。当時から、投資物件に対する融資の審査基準が緩いことで有名だったS銀行。他の金融機関に打診することすらせず、S銀行から安易に融資を引いてしまったことが、このような返済率の高さという失敗となって自分自身に帰ってきたわけですね。
この4.5%の金利をどうにかできないか?仮に3.5%に1%の金利引き下げが実現できれば、毎月の返済額は80万円に減少します。つまり、10万円のキャッシュフロー改善が見込めるわけです。たった0.1%でも毎月の手取り額が1万円改善します。であれば0.1%でも低い金利に融資条件を見直してもらえるよう、交渉しない手はありません。
とはいえ、金利交渉は準備が大切です。やみくもに金利を下げて欲しいとお願いしても、そのような要求が通ることはありません。金利引き下げ交渉に先立ち、次の3つをクリアすることが必要です。
1. 物件の稼働率を上げる
2. 高稼働率を維持する
3. 返済実績を積む
物件購入後間もなく、融資対象の物件は満室となり、その後現在に至るまで平均で95%を超える入居率での稼働が続いています。その上で、2年の返済実績を積んだところで、S銀行に金利引き下げの話を持っていきました。その結果、金利を0.7%引き下げてもらうえることになりました。1%の引き下げは実現できませんでしたが、その結果、キャッシュフローは約7万円改善し、毎月の返済額は90万円超から約83万円に。
かつてのように高利回り物件を見つけられなくなった今、所有物件を増やすだけでなく、低金利を利用して効率よく規模を拡大する戦略も、不動産投資家に求められるスキルといえそうです。
次回は、さらなる金利引き下げを目指してその後とったアクションについてお話しようと思います。