カテゴリ:不動産投資
2019-06-22
積算評価とは、別個に評価した土地と建物の価値を合算(積算)する不動産の評価方法のひとつ。では、土地と建物がどのように評価されるかについて、説明いたしましょう。
・土地の評価額
土地の評価額は路線価をベースとして算出され、次の式で表されます。
土地の評価額=路線価(円/㎡)×土地の面積(㎡)
路線価とは、路線や道路に面する宅地の単位面積(1㎡)当たりの評価額のこと。路線価は、適正な土地の取引価格とされる公示価格の8割程度になるよう、国税庁によって定められ、1月1日時点の路線価が7月1日に発表されます。ちなみに、路線価には相続税や贈与税算出の基礎となる相続税路線価と、固定資産税や都市計画税算出の基礎となる固定資産税路線価がありますが、一般的には相続税路線価のことを指して路線価といわれています。
・建物の評価額
次に、建物の評価額がどのように決められるのかをご説明します。建物の評価額は次の式に従って算出することができます。
建物の評価額=建物の延床面積×再調達価格×(残存耐用年数÷法定耐用年数)
「リスクコントロールで楽しい不動産投資生活を」の5回目でも登場した「再調達価格」について、もう一度説明いたしましょう。
再調達価格とは同じ建物を新築した場合に必要は単位面積(1㎡)当たりの価格のこと。建築コストは建物の構造によって異なるため、再調達価格も構造ごとに異なります。再調達価格は金融機関によっても異なりますが、目安となる再調達価格は次のとおり。
鉄筋コンクリート造(RC):20万円
重量鉄骨造:18万円
木造:15万円
軽量鉄骨造:15万円
・築10年・敷地面積100㎡・延床面積100㎡・路線価10万円/㎡の木造戸建住宅の積算価格は?
始めに、土地の評価額から計算してみましょう。
土地の評価額=路線価(10万円/㎡)×土地の面積(100㎡)=1000万円
次は、建物の評価額です。
建物の評価額=建物の延床面積(100㎡)×再調達価格(15万円)×(残存耐用年数(12年)÷法定耐用年数(22年))=818万円
計算して得られた土地の評価額と建物の評価額を足し合わせた1818万円が、この戸建物件全体の積算評価額ということになります。