不動産オーナーにとって最も身近なリスク「空室」。空室が発生する大きな理由に、入居者の転勤や結婚などに伴う転居が挙げられます。しかし、これらの原因は、大家の裁量では如何ともしがたいものです。空室のリスクを抑えるには、「その他の理由による退去を減らして退去そのものを減らすこと」そして「退去があってもすぐに入居者が決まる物件であること」、この2つがとても大切になります。
これらの条件をクリアした物件であれば、長期にわたって高稼働率を維持できる確率はおのずと高くなるというもの。上記の2つの条件を満たす部屋というのは、一言でいうと住み心地の良い部屋。換言すれば、好立地でスペックの高い部屋であるともいえます。それにもうひとつ、募集を依頼している不動産会社の募集力も、入居率を左右する大きな要素といえるでしょう。
・立地
・部屋自体の魅力
・不動産会社の募集力
これら3つが、空室のリスクを低く抑える上で重要な要素になります。
東京に通勤する人が多い首都圏では駅近であること、車社会の地方ではロードサイドの大型ショッピングモールに近いことや、幹線道路へのアクセスが良好であることなど、入居者にとって利便性が高い立地であることが、その物件における好立地の条件ということになります。必ずしも「駅近」=「好立地」という公式が成り立たないということには、注意が必要です。
「家賃はお手頃なのに内装が素敵!」、「清潔感のある水回り」、「無料でインターネット使い放題」など、他の物件との差別化が図れるポイントを備えた物件は、入居者にとても喜ばれます。入居付けがし易いだけでなく、退去を未然に防ぐ効果も。
どこに投資するかというのは、大家の経営センスが問われるところ。アクセントクロスを貼ったり、ハンドル式の水栓をシングルレバータイプに交換したり、ちょっとしたことが内覧に訪れたお客さんの目に留まるものです。
最後に募集力についてです。入居付けに強い不動産会社を見つけるための、チェックするポイントをいくつか紹介しましょう。
1. 定休日が土日祝日に設定されていないこと
サラリーマンなど多くの人が部屋探しをする土日祝日を定休日としている不動産会社に募集をお願いするのは避けた方がよいでしょう。
2. ある質問をしてみる
こんな質問をしてみるとよいでしょう。「家賃〇万円で募集したいと思うのですが、どう思いますか?」。そこで安易に「その家賃では決まりません。家賃を下げましょう。」と回答するような不動産会社であれば、その会社に募集の依頼をするのは考えものです。入居者の募集は、「相場よりちょっと高めですが、〇ヶ月フリーレントを付けて、お得感をアピールしましょう!」など、入居者を誘引するための具体的な方策を示してくれるような会社に依頼するのが望ましいといえます。